■ 抄録・要旨
| 新津川が流れる新潟市秋葉区は、新津川周辺において少量の原油が自噴している箇所が確認されており、川岸や川底からしみ出た原油により河川が汚染されることが懸念される。演者らは、すでに新津川の18地点で採取した底質中におけるn-アルカン類及び多環芳香族炭化水素類について報告し、これらの炭化水素類の主な発生源の一つとして、自噴する原油の可能性を指摘した。そこで、本研究では、新津川流域で自噴した原油を採取し、それらに含まれる炭化水素類のうちn-アルカン類(C12〜C32)の組成を明らかにするとともに、底質中のn-アルカン類の組成と比較することにより、底質中におけるn-アルカン類の由来の推定を行った。
原油、Site4-1及びSite4-2では有意な正の相関が認められたことから、Site4-1とSite4-2は、自噴する原油による底質の汚染が考えられた。さらに、自噴する原油由来のn-アルカン割合を算出した結果、Site4-1及びSite4-2は、43.7%及び56.8%と高い割合であった。
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